電気料金はウクライナ危機を機に高騰し始めました。これを機に安さが魅力の新電力会社は電力小売事業から撤退、新規申し込みの受付を一時的に停止するなど大きなダメージを受けました。残った新電力会社の一部では、今後の対策として独自燃調とも呼ばれる『電源調整調達費』を料金システムに導入しました。
- 電源調整調達費とは一体何なのか?
- 消費者にとってのリスク
それでは、詳しく解説していきます。
電源調達調整費について
一部の新電力会社が新たに導入した『電源調達調整費』についての解説になります。
多くの新電力会社は独自の発電所を保有しておらず、供給している電気の多くを卸電力取引所から購入しています。よって、取引価格が高騰すると電気を売れば売るほど経営に与える影響が大きくなります。
2021年10月以降から電気の取引価格高騰により電気の取引価格が高騰し、電力小売事業から撤退する会社や新規の申し込みを一時的に停止する会社が出てきました。その結果を見て、一部の新電力会社が毎月の電気代に『電源調達調整費』を導入しました。
電源調達調整費がどのようなものなのかは理解していただけたかと思います。それでは、私たちが支払う毎月の電気代にどれほどの影響を与えるのかについて解説していきます。
電源調達調整費が電気代に与える影響は?
電源調達調整費が私たちが支払う電気代にどれほど影響するのか解説していきます。
電気代は”基本料金”、”電力量料金”、”燃料費調整額”、”再エネ賦課金”の4つで構成されていました。そこに『電源調達調整費』が新たに組み込まれたこと取引価格の高騰に応じて今まで支払っていた電気代より高くなる可能性があります。もちろん、
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再エネ賦課金
- 【NEW】電源調達調整費
では、電源調達調整費を導入している新電力会社を利用した場合、実際にどれほど電気代が高騰するのか解説していきます。
電源調達調整費の算出方法は各社により異なるので、今回はハルエネでんきを例として紹介します。ハルエネでんきでは、電源調達調整費を調達調整費と表記されていますが便宜上、電源調達調整費で統一させていただきます。
2022年3月分を例に挙げると、東京電力エリアでの調達価格は30.76/kWh、追加請求基準値が15/kWhでした。
仮に300kWhを使用したとするならば、電源調達調整費は4,728円となります。
上記の例のように電源調達調整費を導入していた場合、電気代が高騰するリスクがあります。もちろん、取引価格が安価な時期であれば電気代が安くなり、得をする場合もありますが、メリットよりデメリットの方が大きいというのが私の意見です。
電源調達調整費と燃料費調整額違いは?
補足として『電源調達調整費』と『燃料費調整額』の違いについて解説していきます。1996年から燃料費調整額は電気代に組み込まれていたので、今になって気にする必要はありませんが、名称が似通っているため混同しているからもいるかもしれないので念のために触れておきます。
燃料費調整額とは、発電に必要な燃料費の変動を電気代に反映する仕組みです。燃料費は安ければ電気代が安くなり、燃料費が高ければ電気代は高くなります。仕組みとしては、電源調達調整費と似通っていますね。ただ、理解しておくべき大きな違いは以下になります。
- 一部の新電力会社だけでなく、大手電力会社をはじめとしたほとんどの電力会社が採用
- 燃料費調整額は、大手電力会社も新電力会社も同じ値である場合が多い
- 電源調達調整費より変動幅が小さい
電源調達調整費を導入している新電力は?
当サイトに掲載中の電源調達調整費を導入した新電力会社が以下になります。調達調整費のように名称は違う場合もありますが同様の仕組みを導入している会社も含んでおります。